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2019年5月5日日曜日

【書評】これから地球は小氷河期?『人類と気候の10万年史』×『2049 日本がEUに加盟する日』

 

これから地球は寒冷化!?


高城さんの著書「2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生」第1章 宇宙変動がもたらす人類の危機 1-1 地球温暖化は本当か? で、2020年から約30年間、地球が寒冷化する(小氷河期)と予想しています。

地球は周期的に寒暖を繰り返していて、取材した専門家によると、いくつかの要因により、これから寒冷期が訪れると予測しています。


本来なら今は氷河期


今回は、本書で引用されている書籍「人類と気候の10万年史」をご紹介します。

著者の立命館大学古気候学研究センター長 中川毅氏は、古気候学、地質年代学の専門家です。書籍では、過去5億年の気候変動や、地質学の「世界標準時計」とされている水月湖(福井県)の年縞による調査・研究等、地球史の気候について紹介しています。

その中で、地球は、温暖な時代と寒冷な時代を繰り返していて、現代は例外的に温暖な時代であることを指摘しています。また、現在の安定な時代がいつまで続くのか、次の相転移がいつ起こるのかは、本質的に予測不可能である可能性が高いと言っています。

小氷河期が来た場合、どうすればよいか?

不測の事態を生き延びる知恵とは、時間をかけて「想定」し「対策」することではない。運動方程式をどれほど解いたとしても、飛んでくるテニスボールを打ち返すことはできない。
必要なのは、個人のレベルでは想定を超えて応用のきく柔軟な知恵とオリジナリティーであり、社会のレベルでは思いがけない才能をいつでも活躍させることのできる多様性と包容力である。
出典:人類と気候の10万年史(中川毅 著)

現時点では、多くの人口をカバーできる、明確な答えを持っていないという結論に至っています。但し、「第7章 激動の気候史を生き抜いた人類」で食料に関するいくつかのヒントが紹介されています。

備蓄

一番効果的なのは食料備蓄。但し様々なコストが掛かるため、数年(1年~2年)が限度。
※政府は2年を想定(政府備蓄米の運営について

多様な食生活

安定した気候(温暖)を前提とする農耕型の食物は、極端な気候変動の際、打撃を受ける可能性が高いため、寒冷の時期でも採取できる狩猟採集型の食物(低温を好む植物等)で生き抜く方法を指南しています。但し、農耕型の食物よりも、狩猟採集型の食物の方が食料の量が少ないため、多くの人口に行き渡らないのが懸念材料。

即座に変わり身すること

ずるずると欲望や時の流れに身を任せていた人々は淘汰されることになった。
それとは逆に、今までの暮らし向きを瞬時に切り替えた人々は、大きな時代の渦に巻き込まれることなく、粛々と生活を続けることができているように思う。
常に自分を見失わず、自分なりの「異変」を感じたら、誰に何と言われようが、即座に変わり身すること。
大きな社会変化が差し迫った時代の中で、生き延びる秘訣はそれに尽きると、僕は思っている。
出典:世界はすでに破綻しているのか? (高城剛 著)

「安定」をベースとした「高い生産性」の基に、現在の我々の生活は豊かさを享受しています。「不安定」がベースに変わると、一斉に様々な分野でゲームチェンジが起こります。実際に近年中に寒冷期が来るかはわかりませんが、その際は高城さんの言う通り、即座に変わり身できることが重要なのかもしれません。


<参考>
2035年の世界(2014年発行)「91 新氷河期 太陽の活動が異常事態に」でも、21世紀後半(2055年頃)から地球は太陽活動の低下によって「新氷河期」に突入する可能性があることを予測。


Link:
人類と気候の10万年史(中川毅 著)
2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生(高城剛 著)