現在は「新旧社会OSがぶつかり合う、非連続な大転換時代」。
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.729)で、未来予測理論の『SINIC理論』について紹介されていました。
SINIC(サイニック)理論は、オムロン創業者の立石一真氏が1970年に国際未来学会で発表した未来予測理論です。この理論は「科学、技術、社会の相互作用によって社会が発展していく」という考え方を基盤としています。
本書の著者である中間真一氏は、株式会社ヒューマンルネッサンス研究所(オムロン株式会社のグループ内シンクタンク)の代表取締役社長を務め、「SINIC理論」を活かした未来社会研究に従事されています。
SINICは「Seed-Innovation and Need-Impetus Cyclic evolution」の頭文字を取ったもので、「科学が技術のタネになり、技術が社会の革新を促すとともに、社会から技術の必要性を発し、技術が科学の刺激となる」という、相互に影響を与え合いながら発展していくということを意味しています。
SINIC理論の特筆すべき点は、1970年に発表した未来予測が、現在までほぼ当たっていることです。また、2025年と2032年から始まる次の時代も予測していて、未来に向けてどのような準備をすればよいか、大いに参考になります。
現在は「モノ」中心から「こころ」中心の社会へと移り変わる過渡期で、これまでの「最適化時代」の問題点が噴出する時期であり、今起こっている世界中の様々な問題に納得がいきます。
本書は決して悲観的な内容ばかりではなく、次の時代に向けて明るい未来を示しています。次の時代の風を一足早くキャッチアップしたい方におすすめの一冊です。
目次
- プロローグ
- 第1章・未来を考えるということ
- 第2章・未来予測理論「SINIC理論」
- 第3章・よりよい未来づくりへのSINIC理論アップデート
- 第4章・現在進行形の「最適化社会」のゆくえ
- 第5章・自律社会を生きる人、自律社会を支えるテクノロジー
- 第6章・SINIC理論を超えていく未来
- 第7章・共に未来をソウゾウする
- エピローグ