「死なないための食料備蓄」を教えてくれる本です。
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.775)で、備蓄についてQ&Aで解説されていました。自然災害が世界的に見ても多い日本において、2週間分の備蓄をおすすめされています。備蓄の準備は、普段緊急性が低いため、ついつい後回しにしがちですが、今から少しずつ準備する際に参考になる本がありますのでご紹介します。
『今日から始める本気の食料備蓄 家族と自分が生き延びるための防災備蓄メソッド』は、一般的な「3日〜1週間分」程度の非常食の準備にとどまらず、大規模な災害や戦争、流通のストップなどによって発生する本格的な「食料危機」を想定した、数ヶ月レベルの長期的なサバイバルを目指すための実践的な解説書です。
著者は、防災専門のYouTubeチャンネル『死なない防災!そなえるTV』などを運営する備え・防災アドバイザーの髙荷智也(たかに ともや)氏で、彼の自分と家族が死なないための防災というリアルで徹底した視点が貫かれています。
主な内容
- シビアな現実とシミュレーション
- 実践的な「長期備蓄」のテクニック
- ローリングストック:普段から食べるものを少し多めに買い、古いものから消費して補充する基本の手法。
- コンテナストック:賞味期限の長い食品を箱(コンテナ)単位で管理し、定期的にサイクルさせていく、より長期向けの管理法。
- 米の長期保存法:通常は数ヶ月しか持たないお米を、長期保存できるようにするノウハウなど。
- 食料以外の「ライフライン」の確保
- カセットガスやポータブル電源(1200W以上など具体的な目安)の準備
- 雨水の活用法や水の確保方法
- 危機を乗り切るための「ディープな防犯・生存術」
- 近隣に備蓄があることを絶対に悟られないようにする(調理時に換気扇を使わず空気清浄機で匂いを消す「コソコソ作戦」など)。
- 周囲との付き合い方や、いざという時の防犯・略奪への対応。
単に「これを買いましょう」と勧めるだけでなく、実際に国規模の食料危機が起きた場合、政府の対応はどうなるのか(イモ類を中心とした配給になる可能性など)、社会や治安はどう変化するのかといったシビアなシミュレーションが提示されています。生き延びるための明確な目標設定(例:「最初の数ヶ月を自力で耐え抜く」など)から逆算して解説されています。
数ヶ月分の食料を家庭で腐らせずに管理するのは非常にハードルが高いですが、それを現実的に可能にするための実践的なメソッドが紹介されています。
生き延びるためには食べ物だけでなく、調理のためのエネルギーや水、電力が必要です。
本書が他の防災本と一線を画す「本気」と言われる理由がここにあります。本当に食料が枯渇した極限状態を想定し、周囲の人間から略奪されないための生々しい知恵が書かれています。
「ミニマリズム」や「すっきりした暮らし」とは対極にありますが、一歩踏み込んだ「本気でサバイバルするためのプレッパー(備えをする人)向けの指南書」です。全てを真似するのは難しくても、カセットボンベの買い増しや、調味料・乾麺のストックなど、読んだその日からできる現実的なアプローチも多く網羅されています。防災のための備蓄を計画的に行いたい方におすすめの一冊です。
ちなみに、コラムで「ミニマリストのミニマルな生活と防災」が紹介されています。家具などによる死傷の回避や、身軽なことによる早期避難のメリットを挙げていますが、物を持たない暮らしが招く食料危機に対する脆弱性を指摘しています。最低限の防災用品を省かないことを推奨しています。
目次
- 第1章 長期備蓄が必要な災害を知る
- 食料備蓄は必要か?
- 食料危機が生じる状況とは?
- 食料危機発生時の政府対応は?
- 食料危機と同時発生する問題は?
- 備えるべき食料の量と期間は?
- 食料危機発生シミュレーション
- 第2章 長期備蓄の具体的なテクニック
- 4つのプランから現実が見える
- 極みプラン
- 山奥の一軒家プラン
- イモと塩プラン
- 日常備蓄プラン
- 日常備蓄による長期備蓄の手法
- ローリングストックによる備蓄
- コンテナストックによる備蓄
- 日常備蓄の実践と具体例
- 第3章 食料の長期備蓄を行う
- 長期食料備蓄の着目点
- 主食の備蓄①
- 無酸素保存なら常温で長期OK
- わが家の無酸素保存とオススメの「チャック付きガスバリア袋」
- 「無酸素保存」の究極形 賞味期限25年のサバイバル®フーズ
- 主食の備蓄②
- 副食の備蓄
- 栄養素の備蓄
- 嗜好品の備蓄
- 調味料の備蓄
- 備蓄食材を食べきるための準備
- 第4章 水の長期備蓄を行う
- 水の長期備蓄の着目点
- 飲料水…ペットボトル水の備蓄
- 生活用水…「機能」および「水の確保手段」を準備
- 河川・雨水・湧き水の活用
- 非常用浄水器の活用
- 水の長期備蓄…準備と本番の想定
- 第5章 エネルギーの長期備蓄を行う
- エネルギーの長期備蓄の着目点
- ポータブル電源の活用
- ソーラーパネルの活用
- 多様な発電手段の活用
- カセットガス器具活用
- 木質燃料・その他の活用
- 第6章 社会インフラ停止に備える
- 流通・交通インフラ停止の対策
- 生活サービス停止の対策
- 医療・福祉・学校閉鎖の対策
- 情報・教育・娯楽調達の準備
- 行政サービス停止の対策
- 食料備蓄リスト 4名×1か月/1名×4か月の長期備蓄例
