「できるだけ長く健康に生きる」ための健康・長寿の実践書です。
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.774)で、ゴールデンウイークに読書をするための本として、昨年から今年にかけて特に印象に残った本の中の一冊『OUTLIVE(アウトリブ) 人はどこまで生きられるのか』が紹介されていました。8weeks.aiや神宮前統合医療クリニックで行っている検査などの方向付けを明確にするほどの内容だったそうです。
ピーター・アッティア博士による『OUTLIVE(アウトリブ) 人はどこまで生きられるのか:健康長寿の限界を超える科学的戦略』は、単に「長生きすること(長寿)」だけでなく、「いかに健康な状態で長く生きるか(健康寿命)」に焦点を当てた、現代における健康・長寿戦略のバイブル的な一冊です。
この本の核心は、従来の医学(Medicine 2.0)から、予防を重視した新しい医学(Medicine 3.0)へのパラダイムシフトを提唱している点にあります。
目次
- 「Medicine 3.0」への転換
- 目標:寿命(Lifespan)を延ばすだけでなく、心身ともに活力ある期間(Healthspan)を最大化すること。
- 「死の4騎士(The Four Horsemen)」
- 代謝疾患(2型糖尿病など)
- 心血管疾患(心臓病、脳卒中)
- がん
- 神経変性疾患(アルツハイマー病など)
- 健康を支える5つの戦術
- 運動:著者が「最も強力な長寿薬」と断言する項目。筋力、心肺機能(VO2 max)、ゾーン2トレーニング(有酸素)の重要性を強調。
- 栄養:単なるダイエット法ではなく、代謝の健康を維持するための「栄養生化学」としての食事。
- 睡眠:脳の修復と代謝調整に不可欠な要素。
- 感情の健康:肉体が健康でも精神が病んでいては意味がないとし、心のケアの重要性を説いています(著者の個人的な体験も語られます)。
- 外因性物質:薬、サプリメント、ホルモン補充療法などの活用。
- 「100歳時代の5種競技(Centenarian Decathlon)」
著者は、現在の医療を「病気になってから対処する」Medicine 2.0と呼び、その限界を指摘しています。これに対し、病気になる数十年前から予防・介入を始めるMedicine 3.0の重要性を説いています。
現代人の寿命を縮める主な原因として、以下の4つの疾患グループを挙げ、これらに対して早期から先制攻撃を仕掛ける戦略を解説しています。
具体的な戦略として、科学的根拠に基づいた以下の5つの項目に深く切り込んでいます。
「100歳になったときに何をしていたいか?(例:孫を抱き上げる、自分で立ち上がる)」という具体的な目標から逆算して、今のトレーニングメニューを決めるというユニークかつ実践的な考え方を提示しています。
「老いは避けられないが、衰えは遅らせることができる」。最新の科学データを駆使しつつ、読者が自分の人生の「船長」として、どのように航路(健康戦略)を設計すべきかを具体的に指南してくれる本です。
非常に分厚く情報量も多い本ですが、エビデンス(科学的根拠)に基づいた本質的な健康法を知りたい方には、これ以上ない一冊と言えます。気になりましたらぜひチェックしてみてください。
目次
- はじめに
- 第1部 医療2.0から医療3.0へ
- 第1章 長期戦 速い死から緩慢な死へ
- 第2章 医療3.0 慢性病の時代に医療を見直す
- 第3章 目標、戦略、戦術 本書を読むためのロードマップ
- 第2部 四大疾病を知る 心臓病、がん、神経変性疾患、2型糖尿病
- 第4章 センテナリアン 年を重ねるほど健康になる
- 第5章 長生きに食べ過ぎは禁物? 空腹と健康の科学
- 第6章 豊かさの危機 祖先の遺伝子は現代の食事に対処できるか
- 第7章 心臓 地球上の最凶の殺人者である心臓病と向き合い、予防する
- 第8章 暴走細胞 殺人鬼のがんと取り組む新しい方法
- 第9章 追憶 アルツハイマー病などの神経変性疾患を理解する
- 第3部 五つの戦術 運動、栄養生化学、睡眠、メンタルヘルス、薬・サプリメント
- 第10章 戦術的に考える あなたに合った原則の枠組みを構築する
- 第11章 運動 最も強力な長寿薬
- 第12章 トレーニングの初級講座 センテナリアン・デカスロンに備える方法
- 第13章 安定性という福音 怪我を防止するための動き方を学び直す
- 第14章 栄養学3.0 栄養ならぬ、「栄養生化学」
- 第15章 栄養生化学を実践する 正しい食事のパターンを見つける方法
- 第16章 目覚め 脳にとって最善のくすりである睡眠を愛する方法
- 第17章 告白 何よりも大切な感情の健康
- エピローグ
