これまで一般公開されなかった、入谷式足底板療法の創始者と弟子による専門書です。
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.773, 715, 712)や、書籍「LIFE PACKING 60」などで度々、「入谷式足底板」について紹介されています。足から全身の姿勢や動作をコントロールする概念で作製されるオーダーメイドの足底板で、高城さんがおすすめされています。巷にあるインソールとはどう違うのかを知ることができる、入谷氏の理論を体系化した貴重な専門書がありますので、ご紹介します。
書籍『入谷誠の理学療法 評価と治療の実際』は、日本の理学療法界において「伝説の治療家」と称された故・入谷誠(いりたに まこと)氏の31年にわたる臨床の集大成です。氏が亡くなられた後に、その膨大な知見を後世に残すべく、長年のパートナーであった園部俊晴氏らの尽力によって4年の歳月をかけてまとめられた「虎の巻」とも言える一冊です。
主な内容
- 入谷式の「技の神髄」を初公開
- カウンター理論: 身体の運動連鎖を読み解く独自の理論。
- 入谷式徒手誘導: 患者の動きを評価しながら、最適な運動方向へ導く技術。
- リフトアップテーピング: 皮膚の動きを制御して動きを改善する手法。
- エクスパンディング・エクササイズ: 身体の空間を広げるように動かす運動療法。
- 徹底した「臨床重視」の構成
- 疾患別の評価と改善: 各疾患における主要な問題点と、治療の「糸口」が具体的に記述されています。
- 豊富なビジュアル: ほぼ全てのページに写真やイラストが掲載されており、技術のイメージが掴みやすい作りになっています。
- 動画による学習サポート
これまで特定の勉強会や上級コースでしか学べなかった、入谷氏独自の治療概念や技術が余すことなく掲載されています。
単なる理論解説にとどまらず、実際の臨床でどう評価し、どう治療目標を立てるかに重点が置かれています。
本書の大きな特徴として、誌面に掲載されたQRコードから実際の施術動画を視聴できる点が挙げられます。文章だけでは伝えきれない、入谷氏の繊細な手の動きや誘導のタイミングを映像で確認できるため、再現性が高められています。
「入谷式足底板」で世界的に知られる入谷誠氏が、どのように患者の身体を観察し、どのような理論で痛みや動きを変えていたのかを解き明かした、理学療法士・作業療法士にとっての究極のバイブルと言えます。
専門職向けの書籍ではありますが、身体のメカニズムや「なぜそこを触ると動きが変わるのか」という本質的な問いに対する答えが詰まっており、スポーツ指導者やトレーナーに加え、入谷氏の理論を知りたい人にとっても非常に価値の高い内容です。気になりましたら、ぜひチェックしてみてください。
目次
- 序章 臨床家としての私の理念
- 医療の目的
- 臨床家のあるべき姿
- 成長とは仮説と検証の繰り返し
- 技術を受け継ぐために
- 第1章 仮説検証作業
- 臨床推論に基づく仮説検証作業
- 仮説検証作業の実際
- 動作分析を仮説検証作業に活かすために忘れてはならないこと
- 第2章 関節モーメント
- 関節モーメントとは
- 下股の各関節の関節モーメントの考え方
- 下股の各関節モーメントの影響因子
- 第3章 評価
- 立位・足踏み動作の評価
- 形態および可動域評価
- 筋の硬さと柔軟性の評価
- 歩行分析
- 第4章 入谷式カウンター理論
- 入谷式カウンター理論とは
- 骨盤の誘導評価
- 下股の連動パターンの決定
- 体幹の連動パターンの決定
- まとめ
- 第5章 治療:入谷式足底板
- 入谷式足底板とは
- 入谷式足底板作製における特徴
- 入谷式足底板の臨床応用
- 入谷式足底板作製のための直接的評価
- 直接的評価からの展開
- 簡易パッドによる足底板の作製
- まとめ
- 第6章 治療:入谷式エクスパンディング・エクササイズ
- エクスパンディング・エクササイズ(expanding exercise)とは
- 従手誘導からの展開方法
- 筋収縮の方法と留意点
- 具体的方法(下股のエクスパンディング・エクササイズ)
- 具体的方法(体幹のエクスパンディング・エクササイズ)
- まとめ
- 第7章 治療:入谷式皮膚誘導を応用した治療
- 入谷式皮膚誘導の原則
- キネシオタイプのテーピング
- 入谷式リフトアップテーピング
- 皮膚に刺入しない置き鍼
- まとめ
- 第8章 疾患別の主要な問題点と改善の糸口
- 股関節疾患
- 膝関節疾患
- 足部・足関節疾患
- まとめ
- あとがき
