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2021年7月31日土曜日

【書籍】野生の思考 - クロード・レヴィ=ストロース 著


行き詰る現代社会の正体と、それを打開していくヒントが書かれています。

先日の高城剛さんのメルマガ(Vol.150)で紹介されていた本です。高城さんが「僕を形作った五冊」の一冊です。フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースの名著です。日本では1976年初刊です。

非常に難しい本のため何度も挫折していましたが、NHKテキスト「100分de名著『野生の思考』」で理解が深まりました。分かりやすく解説されているので、まずはこちらの本から読んだ方が良いかもしれません。

著者は大学の教授職の誘いを受けてブラジル・サンパウロに赴任したことをきっかけに、現地の未開社会に生きる原住民のフィールドワークに取り組み始めます。

その後、研究を通じて、『未開社会に生きる原住民は、現代人(西欧)に比べ知性が劣った「野蛮人」ではない。』『自然について非常に高度で深い知識を持ち、それを生活に上手に利用している。』ことを知ります。むしろ現代人は「歴史」に縛られ「自閉」していると言っています。

その他に、ブリコラージュ(ありあわせの道具材料を持ちて自分の手でものを作る)、新石器時代の思考、神話・儀礼に繋がるトーテミズム、日本文化の可能性(100分de名著)など興味深いトピックスが登場します。

読みこなすにはハードルが高いですが、高城さんの知性に近づきたい方におすすめに一冊です。また本文が難しいため、出版社の方には現代語訳による再販を期待します。


動画はこちらから
NHKオンデマンド 100分de名著 レヴィ=ストロース“野生の思考”


「野生の思考」目次

  • 第一章 具体の科学
  • 第二章 トーテム的分類の論理
  • 第三章 変換の体系
  • 第四章 トーテムとカースト
  • 第五章 範疇、元素、種、数
  • 第六章 普遍化と特殊化
  • 第七章 種としての個体
  • 第八章 再び見出された時
  • 第九章 歴史と弁証法


100分de名著『野生の思考』目次

  • 【はじめに】人類の思考を変える起爆力
  • 第1回 「構造主義」の誕生
  • 第2回 野生の知財と「ブリコラージュ」
  • 第3回 神話の論理へ
  • 第4回 「野生の思考」は日本に生きている