「歴史を知れば、それが『何度も繰り返されてきたこと』だと気づく」
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.722)で、レイ・ダリオ氏の著書『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』についての質問と回答(解説)がありました。
今月に発売された週刊現代(2026年2月16日号)では、特別寄稿「日本と日本人が生き残る道」が掲載されていて、著者の「ビッグ・サイクル」理論の通りに現実が進行していることを示唆しています。(オンラインページでも読むことができます)
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日本は歴史的な衰退段階に入った…著名投資家レイ・ダリオが分析する「この国に蔓延する無力感の正体」(マネー現代)
本書『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』(原題:Principles for Dealing with the Changing World Order)は、過去500年の歴史を分析し、「なぜ、どのようにして大国(帝国)は興り、そして衰退するのか」というパターンを解き明かした一冊です。
世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創業者であるダリオ氏が、投資家としての視点から、現代が歴史上のどのような局面にあり、今後どのような変化が起きるのかを予測するために書かれました。
オフィシャルのYoutubeで、本書の内容をわかりやすく解説されているので、まずは概要を動画でチェックするのがおすすめです。
主な内容
- 「ビッグ・サイクル(大きな周期)」の特定
ダリオ氏は、歴史は繰り返される一連のサイクルであると説いています。一つの帝国が台頭し、世界の覇権を握り、やがて衰退して次の帝国に取って代わられるプロセスを「ビッグ・サイクル」と呼び、主に3つの要素が連動して動くと分析しています。 - 債務・金融サイクル:お金とクレジットの増大、バブル、そして崩壊。
- 内部秩序・混乱のサイクル:格差の拡大による国内の政治的対立や社会不安。
- 外部秩序・混乱のサイクル:既存の覇権国(現在の米国)と新興勢力(現在の中国)の衝突。
- 国家の興亡を測る「18の指標」
国力を測定するために、教育、技術、軍事力、貿易、経済出力など18の指標を用いています。これらを総合した「典型的なサイクル」は、以下のような推移を辿ります。 - 上昇期: 強力なリーダーシップ、教育の向上、革新的な技術、低い負債。
- 頂点期: 通貨が基軸通貨となり、富が蓄積されるが、同時にコストが上がり競争力が低下し始める。
- 衰退期: 巨額の負債、深刻な貧富の格差、ポピュリズムの台頭、そして戦争や通貨崩壊。
- 歴史から見る「現代」への警告
本書の最も核心的な部分は、「今の世界はサイクルのどの位置にいるのか?」という問いへの答えです。
投資家、ビジネスリーダーだけでなく、地政学や経済の先行きに不安を感じている人にとって、「次に何が起こるか」を予測するための羅針盤となるような内容です。日本では2023年9月に発売された本ですが、読んだことがある方は復習や検証する意味でも、あらためて今読みたい一冊です。
目次
- PART I 世界はどのような仕組みになっているのか
- はじめに
- 1 ビッグ・サイクルをごくごく簡単にまとめると
- 2 決定要因
- 補遺 決定要因
- 3 お金、信用、債務、そして経済活動のビッグ・サイクル
- 4 貨幣価値の変化
- 5 内部秩序と内部混乱のビッグ・サイクル
- 6 外部秩序と外部混乱のビッグ・サイクル
- 7 ビッグ・サイクルに照らし合わせて投資する
- PART II 世界は過去500年間、どのように動いてきたのか
- 8 ごく簡単に過去500年間をまとめると
- 9 オランダ帝国とギルダーの興隆と衰退のビッグ・サイクル
- 10 大英帝国とポンドの興隆と衰退のビッグ・サイクル
- 11 アメリカ合衆国とドルの興隆と衰退のビッグ・サイクル
- 12 中国と人民元のビッグ・サイクル
- 13 米中関係と米中戦争
- PART III 将来
- 14 将来
- 付記 主要国の現状と長期見通しのコンピュータ分析
