人生を豊かにする、お金だけに依存しない「分散」について紹介した本です。
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.775、780)などで、個人の備えとしての様々な資本・資産の「分散」の重要性についてメッセージを発信されています。
分散をしてきちんと備えたいところですが、労力やコストを考えると、分散にも限度があるため、不安がなかなか消えないところです。今回は、人気データサイエンティストによる「人生を豊かにする資本の分散の仕方」について紹介した本をご紹介します。
『あっという間にお金はなくなるから 「足りない病」の原因と治し方』は、「いくら貯金があっても不安が消えない」「周りと比べて焦ってしまう」といった、現代人が陥りがちな“お金の不安(足りない病)”の正体を、統計学と心理学の視点から解き明かした本です。
ベストセラーの前著『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』や、YouTubeチャンネル「謎解き統計学 サトマイ」でも人気のデータサイエンティストである著者が、単なる節約術や投資のテクニックではなく、「お金に振り回されずに満たされて生きるためのマインドと人生設計」を提案しています。
主な内容
- 「足りない病」の原因を科学的に分析
- 人生を豊かにする「10の資本(マルチ・キャピタル)」
- 金融資本(お金、貯金)
- 物的資本(住まいや道具)
- 人的資本(スキル、知識、健康)
- 社会関係資本(人脈、人とのつながり)
- 心理的資本(自己効力感、レジリエンス/回復力) など計10個
- 安心は「収入」ではなく「習慣」から
「稼げば稼ぐほど幸せになれる」という幻想に対し、最新の研究やデータ(コスパ最高の年収など)をもとに、人間の心理がどうお金に反応しているかを解説します。日本人が特に失敗を恐れ、不確実性を嫌う気質があることなど、不安の根本にある脳の仕組みや生理反応からアプローチしています。
本書の核心となるのが、人生の強みを「10種類の資本」に分類し、バランスよく育てるという提案です。お金(金融資本)を増やすゲームには終わりがありません。真のリスク管理とは、お金だけに依存するのではなく、以下のような多面的な資本に「分散投資」することだと説いています。
これらを組み合わせて「自分という会社を経営する」ような視点を持つことで、たとえお金が一時的に減ったとしても、人生が根本から崩れない強さを手に入れることができます。
真の自立とは「何にも依存しないこと」ではなく、「上手に頼れる依存先(資本)を複数持っていること」。お金を増やすこと自体を目的にせず、自分の幸せのためにどの資本をどれくらい満たせば「十分」と言えるのか、その基準を自らデザインするための具体的なステップが示されています。
いわゆる「お金の増やし方(ノウハウ)」を期待して読むと肩透かしを食らうかもしれませんが、「お金の不安を根本から治療し、幸福度の高い人生のポートフォリオを組みたい」という人には、視野が大きく広がる一冊です。
目次
- 第1章 「お金の不安」への4つの生理反応
- 第2章 世界にひそむ「お金の三大不安」とは
- 第3章 あなたの内に眠る10の「資本」を掘り起こす
- 第4章 相乗効果を生む「自分資本」の育て方
- 第5章 「怖いけれど、大丈夫」と思える勇気
