「軽量化が経験不足や衰えを補う」
先日の高城剛さんのメルマガ(Vol.615)で「UL(ウルトラライト・パッキング)」について解説されていました。NEXTRAVELER TOOLSから、HUL(ハイパーウルトラライト)シリーズのバッグ発売されましたが、ULのスキルをさらに高めるための登山専門家による本がありましたのでご紹介します。
著者の栗山祐哉氏は、JMIA日本登山インストラクターズ協会認定の上級登山インストラクターであり、SMPO日本安全登山推進機構の代表理事も務め、登山教室「Kuri Adventures(クリエドベンチャース)」を経営されています。
本書では、登山のための「安全のための軽量化」を提唱しており、リスクとなる「闇雲な軽量化」には警鐘を鳴らしています。
山岳遭難死亡事故の発生要因第1位は転滑落で、全体の約半数を占めるそうです。そのため、荷物の軽量化は山で命を落とす危険性を軽減する重要なスキルとなります。
また、十分な体力や持久力が不足している登山初心者や中高年こそ、安全に登山を楽しむために軽量化に取り組むことを推奨しています。
本書では写真で具体的なアイテムが紹介されており、必要な物が分かりやすく解説されています。
本格的な登山でなくとも、日帰りのハイキングや普段のタウンユースでの軽量化にも参考になる内容ですので、気になりましたらぜひチェックしてみてください。
目次
- はじめに
- PART1 軽量化すべき理由
- [理由1] 山岳遭難事故防止のため
- [理由2] 快適に山を登るため
- [理由3] 登山の成功率を高めるため
- [理由4] 初心者と中高年こそ軽量化を
- PART2 軽量化理論
- [概論1] ベースウェイトとパックウェイト
- [概論2] 道具選びの基準は安全であること
- [概論3] 死なないために持つべき装備
- [実践1] 快適のためだけの装備を外す
- [実践2] 同じ機能のものを外す
- [実践3] 全ての装備を計量する
- [実践4] 重量変化の大きなものから替えてみる
- [実践5] 装備の不要な部分を加工する
- [実践6] 複数の役割を果たす道具を選ぶ
- [検証1] パッキングによる体感重量の軽減化
- [検証2] 道具の組み合わせで軽量化する
- [検証3] フィッティングによる体感重量の軽量化
- [検証4] トレッキングボールによる腕の軽量化
- [検証5] スマートフォンの徹底活用
- [概論4] 軽量化にも限界はある
- [概論5] 軽量化のためのコストのかけ方
- PART3 基本装備の軽量化
- ①バックパック
- ②レインギア
- ③防寒着
- ④ヘッドライト
- ⑤ウォーターキャリー
- ⑥シューズ
- PART4 幕営装備の軽量化
- ①シェルター
- ②シュラフ
- ③スリーピングマット
- PART5 補給のための装備の軽量化
- ①調理道具
- ②食料
- PART6 非常時装備などの軽量化
- ①ファーストエイドキット
- ②エマージェンシーキット
- ③ナイフ
- ④着替え
- ⑤生活用品
- ⑥雪山装備
- ⑦クライミングギア
- COLUMN
- 軽量化の失敗談
- 地下足袋を選ぶメリット
- 小屋利用で軽量化
- 共同装備はやっぱり最強
- おわりに